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レッスンQ&A

Q8 2巻に入ってつまづき...

※『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』に関する質問
Q8

1巻を、時間をかけて順調に進んできたつもりなのに、生徒のほとんどが2巻に入ると進まなくなってしまいます。特に「ピーターとおかあさんのおはなし」と「春風」が弾きにくいようです。
2巻に入るまでに絶対しておかなくてはいけないポイントや、2巻に入ってから補助的にやっていかねばならないポイントがあれば教えて下さい。

(回答:北村智恵)
→この本は2巻に入ると急に難しくなるという本ではありません。むしろ私は、1巻が最も難しいとさえ思っているほどです。
 1巻で「時間をかける」ということは、1巻のうちに、1曲ずつ、それぞれの曲を「弾きこなす」ために、奏法を変えたり リズム変奏したり、左右の音量を変えたり、片手ずつを完全に暗譜させて反対側の手の音を先生が弾いて二人で合わせたり、その逆をしたり‥‥等々、要は各声部の音の流れを自分の耳で聴きとり(聞こえているというだけの状態ではなく)自分の指で弾きこなすまで、つまり練習の仕方を具体的に指導することに時間をかけたかどうかということであって「できていない状態を長びかす」ということではありません。毎週毎週、1つの曲をどれだけ深く掘り下げて指導したのか、その具体的な 課題の多さが、その子の実力となります。1巻でそのことがきちんとできていれば、2巻に入ったとたん進まなくなるということはあり得ません。
 この本が出版される何年も前から、私自身が自分の生徒に、手書きや版下のコピー等を使って十数人の生徒に1曲違わずこの通りの曲で、導入し指導しましたが、誰一人として2巻で進まなくなった生徒はいません。「ピーターとおかあさんのおはなし」も「春風」も、片手ずつの丁寧な練習を毎日きちんとしていれば必ず1、2週間もあれば 両手で完全に弾きこなせるはずです。
 2巻に入るまでに絶対しておかないといけないポイントとは、1巻のうちに、練習の仕方の具体的な指導をすることと、それに従った練習法の習慣をつけることではないでしょうか。1巻のうちに譜読みの原理と練習法を体得した子どもは、2巻で急につまずくということはないと思います。
 要は、「時間をかける」ということの内容が具体的な方法として、どれだけの用意が先生の側にあるかということと、もう1つ、導入期から毎回のレッスンで、先生が、その子の状態をどれだけ深く見きわめているかという事実だけが 良い結果をもたらします。理想の指導内容に添って進み、1分たりとも妥協しないできたか、すなわち、毎回、求めるものの深さを変えることなく求め続けて第1巻を終えたかどうかの問題だと思うのです。
 私自身は1巻から3巻まで、他に何も使わず、常に1冊だけで(生徒にとっては毎回1曲だけで)レッスンにのぞみ、 エチュードに入るまで他に何も使わずに育ててきましたが、全員、読譜力があり、自分の音をよく聴くことと、音楽にふさわしい音を出すことと、歌わせて弾くことが可能です。
 1巻のうちに妥協しないことに勇気を持って下さい。子どもというものは、毎回の目標がきちんと理解できていれば、何週おさらいになっても必ずついてきます。飽きると思う先生は、飽きさせるような内容しか与えていないということであり、 充実感があれば必ずどんどん自ら練習に向かうというものです。
 子どもをみくびらないというのはそういうことと私は信じています。




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