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レッスンQ&A

Q5 左手と右手で異なるフレージング

※『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』に関する質問
Q5

2巻の1曲目「ピーターとベンジャミンのおはなし」ですが、片手ずつではきちんと弾けるのですが、両手になると全てつながってしまったり、右手のフレージングで左手も一緒に切れてしまったり、左手のフレージングでは手が上がりません。
生徒の手を持ってうながすと、なんとか音を切ることはできるのですが機械的です。
フレーズを感じていなくても先に形だけできるようにしてしまって良いのでしょうか?
それとも、生徒が左右それぞれのフレーズを感じて弾けるようになるまで待った方が良いのでしょうか?

(回答:北村智恵)
→これは、とても重要な質問だと思います。ピアノが、他の楽器と決定的に異なるポイントは、ここにあると考えます。鍵盤楽器だけが、「一人でポリフォニーを弾く」ことを可能にする楽器で、それにかかわる問題だからです。熟練すれば 何声部もの旋律を、各声部ごとに、音量、音質、音色まで弾き分けることができますが、2つのメロディーを左右異なる 箇所でフレージングするというのは、ポリフォニーにおける最低限のテクニックです。ポリフォニーは、ピアノという楽器で 音楽していくことを選べば、避けて通れない大きな課題、また、そのテクニックは、ピアノにおける最初から最後までの本質的価値と言えます。
 ご質問の件ですが、片手ずつではきちんとフレージングができるのに、両手になると、
① みな繋がってしまう 
② 右手だけフレージングできて左手は繋がりっ放し
③ 右手のフレージングで左手も一緒に切れてしまう
 と、よくある3つのパターンに分けてお答えします。
 ①の場合、両声部とも動く音に耳が寄ってしまうタイプ─→主旋律(この曲では右手のメロディー)のフレージングで 息を吸わせてそのとき生徒が自分で右手をあげることとし、左手のフレージングの箇所のみ、先生がその生徒の左手を持ち上げる。 この方法をくり返すことにより、習慣的に一人で左右交互のフレージングができるようになる。
 ②の場合、主旋律というよりも高い方の音しか聴いていないタイプ─→先生が右手のメロディーを弾き、生徒は左手の メロディーを歌いながら左手だけで弾く。(2声部同時に聞こえる中で、左手の音を聴くことに意識を促す)左手のフレージングで息をすうとき左手を自分で上げて切ることをくり返し練習した後も両手合わせると左手の音が切れない場合は、 左手のみ、先生が持ち上げることで左右の使い方をリズム的に体得すると、逆に左手の音も聴けるようになる。
 ③の場合、身体リズム(運動神経)的に不器用なタイプ─→両手ともフレージングの箇所で先生が手を持ちあげたり下ろしたり介助することにより、身体リズムとして覚えさせる。ちょっとしたきっかけで以後スムーズにできる場合が多い。このきっかけが大切。
 ①②③いずれの場合も、音楽上の呼吸(息)は息で誘い、技術は「手とり手(本当は足)とり」して、先生が身をもって 相手の体に、左右の腕の使い方のリズムを伝えて覚えさせ、時間をかければ必ずできるようになります。




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