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レッスンQ&A

Q3 小さい子どもでも奏法の弾き分けができる?

※『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』に関する質問
Q3

『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』では、最初から奏法の弾き分けが出てきますが、幼稚園ぐらいの幼い子どもたちに対してそのような技術的な指導をしたことのない私は、本当にそんなことが可能なのかどうかとても不安で、特に、1巻に対してそれが心配で、とまどいがあります。
それで今のところ、他の本で教え始めた生徒に2巻から乗り換えて使用することにしているのですが、1巻に書かれている、マルカートやレガート、スタッカートなどの奏法の弾き分けは、本当に幼児にも可能なことなのでしょうか?
難しすぎることのように思うのですが ... 。

(回答:北村智恵)
→「初めから音楽する本」というのがこの本のねらいです。音楽=表現であり、奏法の弾き分けは、表現上の問題です。 幼児でもそれは可能です。というよりも、幼児だからこそより可能と言えるかも知れません。つまり、手のフォームや指の タッチなど、習い始めの習慣(自分が出した音を自分の耳でよく聴き、目的どおりの音かどうかの認識を持ってコントロールしながら弾く習慣)が、その子の上達度を決めてしまうわけですから、導入時期にそれをしなければ、その後何をどれだけ 与えても、「音楽する」という基本はザルに水です。また、習い始めだからこそ、手のフォームや、各指の上げ方、打鍵の角度など、まだ悪い癖がついていないので、先生の指導をすんなり受け容れて、習慣化し、自然に理想のタッチを身につけて 行くというものです。
 これらのことをレッスンで受けとめていけるかどうかは、教え始めの先生の態度で決まります。私の経験では、4~5歳から タッチの弾き分けが充分可能です。「できない」のは、指の未発達ではなく、「どういう音を出したいか」という意識や その曲に対するイマジネーションの欠如、ひとことで言うと、本質的には「音楽していない」という基本態度が原因です。2~3歳ではまだまだ指関節の未発達な子どももいますが、そんな年齢の子どもに「ピアノ」という楽器を与えること自体が間違いであり、もしも何かするのなら、ピアノという楽器以前の、もっと音楽に関する普遍的なことを指導するべきでしょう。子どもにより発育の個人差がありますが、特に医学的な「障害」がない限り、私の経験では3歳半でも、タッチの弾き分けは可能でした。
 要は、先生の「技術」や「奏法」に対する考え方の問題ではないでしょうか。「かたち」やタッチの仕方から入るのではなく、その子の手や指でいろんな音の出し方を試みさせます。いろんな音の出方があることを知り、その中のその子にとっての一番 「はっきりした音」が出たときの指の上げ方、下ろし方(打ち方)をマルカートと呼ぶのだと、そこで意識化させます。レガート、スタッカートに関しても同様です。その曲に必要な音を出す、それが奏法の弾き分け(=表現)なのです。




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