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ムジカ工房は、音楽教育家・北村智恵をサポートする、小さなアトリエです。
北村智恵ピアノ教室、コンサートの自主公演、ピアノ指導者セミナー開催等、行なっています。

レッスンQ&A

Q2 たくさんの量を与えない?

※『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』に関する質問
Q2

『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』の講座を受けました。各ページ、それぞれ「なるほど」と思うことばかりなのですが、それでも、いざ自分の生徒に使おうと思うと、1週間もの間、たった8小節、たった1段の曲を宿題とするには、なぜかとても「勇気」がいります。
生徒が退屈しないか、お母さん方がどう思われるかも心配です。
皆さんは 本当にこの、先を急がない、たくさんの量を与えないということを守っておられるのでしょうか?

(回答:北村智恵)
→他の人たちが「守っておられる」かどうかは判りませんが、少なくとも私自身は実践しています。特に初めの頃は各ページに1段だけの曲しか載っていないのは、妥協しないレッスンであるならば、求められているそのことは、本当にハイレベルなことで、子どもにとっては、身につくまで相当な時間がかかることだからです。
 たとえば「ピーターのたいこ」など、楽譜を見て、①「ぼう」の向きで左右の手を自分で判断し、しかも②一定したテンポで、③反射的に打鍵できるようになるためには、かなりの時間を要するはずです。この①②③のうち、いずれが欠けても未熟でも、それは次のページへ進む力を持てていないということであり、それで先へ進むのは消化不良というものです。
 そしてまた、私自身は、よく似たパターンや少し違うパターン、もっと高度なパターンなど四分音符や四分休符の組み合わせをいろいろにしてノートや別の紙に書き、何度も練習させ、その子にとっての「弾きこなし」ができてから次のページへ進みます。リズムで導入する本というわけですから、リズミカルに弾きこなせなかったとしたら、何曲もその応用曲を練習し、その力をつけなければなりません。そして、その間に 次のページに出てくる登場人物(動物)の絵本を読んであげたり、次の曲や次の曲のタイトルに興味をもたせる「外堀りを埋めること」を先にしておきます。「レ」の音を覚えたり、「シ」の音を覚えたりすることは簡単なことかもしれませんが、「言われたことの記憶」ではなく、本当にきちんと理解しているかどうか、常に指導者が判断し続けなければなりません。
 そして、「ドレドレ」であっても「ドシドシ」であっても、「マルカート」の打鍵法をきちんと習得し、しかも打鍵という動作ではなく、出てきた音がどうかという、自分の耳で自分の音をよく聴く習慣は、ここから始まるのだということを忘れないで「譜読みは少なく、課題は深く」を実践するための「少しの勇気」を持って下さい。それは子どもというものをみくびらないこと、子どもたちの潜在能力を信じるということに他なりません。そして、各ページそれぞれの曲がうまく弾けても決してそれだけで 先へ進まず、フィードバックしては2曲をAB、ABA、ABABと組み合わせて演奏することで、集中力、構成力を養う手だても忘れずに。先へ進むたびに、3曲も4曲もフィードバック方式を応用して力をつけて行きます。先へ進むだけのことより力がつきます。




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