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レッスンQ&A

Q16 「みずうみにうつる月のひかり」の左手の和音

※『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』に関する質問
Q16

2巻の「みずうみにうつる月のひかり」の左手にある2度の和音の響きを、受け入れがたく感じる生徒がいます。ドビュッシーの曲の和音を弾いて聴かせたり、絵の具を混ぜ合わせて色を作るときの色のにじむ様子を話したりして説明しますが、感じることが難しいようです。
このような、響きを感じる感性が乏しい子どもをどのように導けばよいのか、意識して指導していくべき点を教えてください。

(回答:北村智恵)
→私が今とても不思議に思っているのは、「みずうみにうつる月のひかり」の左手にある2度の和音(短2度のことですよね?) の響きを、その生徒さんが「受け入れがたく感じている」という判断を、先生が、いつ、どこで、何を根拠にされているのだろうか ということです。
 幼い子どもには「受け入れがたいもの」など本当はあまりないと思います。受け入れがたく感じているのではないかと、先生自身 が偏見で思っている場合が往々にしてあるかも知れません。
 また、もしも本当に受け入れがたく感じているとしても(幼い子どもの場合、滅多にないことですが)、その時点で「響きを感じる感性が乏しい」と決めつける先生のその姿勢が問題だと思います。なぜなら、その子はきっと、それまでの間に、そういう響きを頻繁に聴く(体験する)環境になかった、ただそれだけのことであり、これから自然に、そういう類の美しい曲を聴いたり弾いたりする、体験の設定を増やせば良いだけのことだと思います。初めて出会った曲で違和感がありそうだからといって、急に、ドビュッシーの曲を聴かせたり、絵の具の混ぜ合わせのにじみの話をしたり、そのような説明をすること自体が、生徒に対して、それが何か「特別なこと」と思わせたり、漠然とした劣等感や不安を持たせてしまうことにも繋がりかねません。
 子どもは理屈ではないのです。「習うより慣れよ」という言葉は言い得て妙です。また、音に対する感性の良し悪しは、多分に 環境によるものです。たまたまそれまで、そのような環境にはなかったというだけのことであり、それは、馴れていないだけで、「受け入れがたく感じている」と捉えるのは、私は、その子をみくびってしまうことような気がします。
 一つの例ですが、聴音のレッスンで、間違いをチェックし、点数をつけてまで「評価」する(できていないことを認識させる)ことはその子を伸ばすでしょうか?私は、それよりも、聴くことや書くことを1回でも多く繰り返すことがその子を伸ばすということを実感しています。音に対する感性も、何年もかけて自然に通り過ぎて行く中で、特別なものとせず、「習う」より「慣れたもの」として身につくと思います。その際、兄弟姉妹や教室の仲間、先生も含め、誰が弾く曲も、またCDやコンサートも、すべてその子の環境なのです。




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