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ムジカ工房は、音楽教育家・北村智恵をサポートする、小さなアトリエです。
北村智恵ピアノ教室、コンサートの自主公演、ピアノ指導者セミナー開催等、行なっています。

レッスンQ&A

Q15 1冊だけでレッスン?

※『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』に関する質問
Q15

「ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本、1冊だけ」でレッスンを進めていく勇気がなかなか持てず、私は、今まで使っていた バスティン・メソードに、『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』を加えるかたちで、数人の生徒に使っています。
自分に自信がないことも原因の1つですが、「たった1冊、たった1曲だけで30分のレッスン時間を持てあましてしまったらどうしよう」という不安や、「1週間でこんな薄い本の1~2ページしか進まない(教えない)なんて、この先生、一体、何をしているの?」と親御さんに思われないかということもとても気にしていました。
北村智恵先生が行われている具体的なレッスン内容を知るにつけ、少しずつ納得はできるのですが、やはり「1冊だけしか使わない」ことへの勇気のようなものがまだ持てないでいる状態です。
「リトルピアニストのつどい」で、北村先生の生徒さんの演奏を聴くと、皆さん、とても音がきれいで、しかも、自分の音、自分の表現、自分の音楽、といったその人それぞれの個性のようなものを感じて凄いなあと思うのですが、やはり本当に、北村先生は『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』1冊だけで導入期のレッスンをしておられるのでしょうか?
本当に本当に1冊だけでエチュードまで繋げておられるのでしょうか?

(回答:北村智恵)
→本当に本当にそうです。(笑)
 このことは、よく、いろんな先生から訊かれますが、本当に私は、『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』1冊だけで導入し、音楽の総合的な力を、この本を使ったすべての生徒につけてきたつもりです。内容が充実していないから何冊もの本を使わな ければならないのではないか、と、逆説的に考えることはできませんか?また、保護者にどう思われようと、その生徒の「音」と「笑顔」だけで充分ではありませんか?
 バスティンに限らず、初めから、数字による拍子記号がでてきたり、拍節感を充分養う前から2分音符や付点2分音符、全音符が でてきたり、(覚え込み、数えることでしか正しく弾けない=リズムを感じないまま長さだけ数えて正しく弾けたらマル?)── 書けばきりがないほど、子どもへのピアノの導入期レッスンは、あまりにも「音楽」の本質からかけ離れたことの連続だったと思います。
 本当の勇気とは、「人のために何ができるか」「誰かのために、どこまで優しくなれるか」ということだと私は思っています。
 一人ひとりの子どもたち、かけがえのない、一人ひとりの人間を、本当に愛していれば、それは簡単にできることです。
 私はこれまで三十数年間、いろんな勉強をしてきましたが、そのこと(あること)を取り入れるか否かの判断基準ははっきりしていて一度も迷ったことがありません。「音楽」を本当に愛している人間は、「音楽」に対して妥協はしない、そして、子ども(人間)を本当に信じ、愛しているのなら、自分は加害者になりたくない、この二点が私の判断基準です。そうして 一度決めたことは、すぐに結果が出なくても、周りの誰が何と思おうと、絶対にあきらめないで努力し続ける──選ぶ、取り入れるということはそういうことです。
 結果は子どもたち(生徒)が出してくれます。私たち指導者は、信じて待つしかないのです。一人ひとりの子どもたちの「音」と「笑顔」だけが目安です。そして私は子どもたちに裏切られたことは一度もありません。
 自分はどう生きたいかと自分に問いかけて生きて行けば、レッスンのあり方は自ずと定まってくるものです。まして保護者にどう思われるかを気にする余裕など私には今まで一度もありませんでした。「音楽」に対して、レッスンに対して、「理想」を持ち続け、それを実践する勇気は、一生懸命それをし続けることでしか持ち得ないと思います。
 良いと信じられるものに出会ったら、迷わずそれを実践し続ける一生懸命さ(=本気)を持つことが、唯一の解決策だと思うのですが...。




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