ようこそ。ムジカ工房&北村智恵のWebサイトへ。

ムジカ工房は、音楽教育家・北村智恵をサポートする、小さなアトリエです。
北村智恵ピアノ教室、コンサートの自主公演、ピアノ指導者セミナー開催等、行なっています。

レッスンQ&A

Q14 技術的な訓練にも利用?

※『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』に関する質問
Q14

『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』では、その内容表現に相応しいタッチで弾くことを要求されていますが、その曲を、本で指示されていることとは異なるタッチで弾かせたり、異なる奏法で弾かせたりすることは間違いなのでしょうか?
技術的な訓練にも利用したいと思っているのですが─。

(回答:北村智恵)
→間違いではありません。私は自分のレッスンで、ほとんどの生徒に「本のとおりではないこと」を課題として要求しています。そして、それは、技術的な訓練にとどまらず、むしろ、そのことこそ「音楽」の本質なのだと考えています。
 たとえば、1巻の最後の曲「かあさんのこもりうた」は、やさしい音でなめらかに弾くことが要求される標題ですから、必然的に、 メゾピアノもしくはピアノのレガート奏ということになりますが、それができた時点で私は、別の課題を追加します。具体例を あげてみると、
①手はレガート奏のまま、左手の4分音符をすべて元気の良いスタッカートで弾く (「『ルンルンかあさんのこもりうた』にしよう!」と言います。)
②左手はそのポジションのままレガート奏で弾き、 右手のみオクターヴ上げて軽いスタッカート で弾く(『ピツィカートこもりうた』にしよう!→ヴィヴァルディの「四季」の中の「冬」の2楽章やJ.シュトラウスⅡ世の「ピツィカート・ポルカ」などをレッスンのときに聴かせておき、右手のポジションと奏法(レガートからスタッカートに) が変わるだけで音楽の印象が大きく変化することを体験する。左右の手のポジションが離れることにより、鍵盤を広く使う 訓練にもなるうえ、ついでにクラシックの弦楽合奏やオーケストラ作品にふれることにもなり、知識や音楽体験も豊かになる)
③全体を2オクターヴ下げてレガートで弾く。(『ぞうのかあさんのこもりうた』にしよう!)
④全体を2オクターヴ下げて、左手だけマルカートで弾く。(『ぞうのとうさんのこもりうた』だぞー!)
等々、総合的な技術の向上が望めます。そして、あえていうならば、それらは技術の訓練にとどまらず、それこそ、「表現」の ために必ず技術はついてくるということの証しです。「表現」したいものや音楽性を幅広く求めていくから、さまざまな技術が ついてくるということです。常に音楽的であることや表現力を優先させていけば、必ず本もののテクニックが養われるということに 他なりません。
先生と呼ばれる人は、楽譜に忠実に、書いてあることを誠実に演奏することを教えると共に、その楽譜を利用して、タイトルを 変えて弾かせるくらいの発想をもっていなければなりません。良いレッスンとは、豊かなレッスンのことではないでしょうか。
 1巻でもこれらのことが充分可能なのですから、2巻・3巻の中の曲に対しては言うまでもないことです。




前の記事→Q13 同じ本を使っても良い?
次の記事→Q15 1冊だけでレッスン?

MENU

ページのトップへ戻る