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ムジカ工房は、音楽教育家・北村智恵をサポートする、小さなアトリエです。
北村智恵ピアノ教室、コンサートの自主公演、ピアノ指導者セミナー開催等、行なっています。

指導ポイント

はじめに

ピアノを教え始めて、この春で四十余年たちましたが、私は『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』に限らず、どのテキストを使って指導してきたときも、また、どの生徒に対しても、レッスンで失敗したことや後悔したことは一度もありません。というよりも、どの子にも、いつも真剣に誠実に向き合ってきたので、すべてが前向きでプラス思考の発想しか残ってこなかったということです。常に工夫の連続でした。
 それは決して自慢でもなく、誇張でもなく、特に、『ピーターラビットピアノの本』『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』を使うようになってからは、まさに自然に、無理なく、無駄なく、効率良く、誰もスランプ1つなく、確実に「理解」し、楽しく過ごし、練習を怠けた子もなく、上達しなかった子もなく、私自身もレッスンが楽しくて仕方のない年月でした。でもそれは決して、私自身がこの本の「著者」だからではありません。
 『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』を使って子どもたちにレッスンしているとき、私は完全に「ピアノの先生」になりきっています。この本の「作曲者」でもなく、「監修者」でもなく、「校訂者」でもなく、透徹なまでに私は、「一人のピアノ指導者」として、子ども一人ひとりと「ピーターラビット・ピアノの本」の前で、音楽を媒体として確実に向き合っていることに、今さらながら驚いています。逆説的な言い方をすると、私がどの子に対してもレッスンで失敗などしたことがないのは、いつも、どの子にも「真剣勝負」に挑み、「音楽」に妥協したり、「子ども」というものに迎合してこなかったからという理由しか思い当たりません。
 その姿勢で臨めば、どんな本を使っても「失敗」などするはずはなく、いかなる「体験」も良い結果にしか繋がらないと思います。ましてや、『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』は、他の「子どものための」と称されていながら本当は少しもそうではないメソードや導入教材に比べて、個人の能力や力量で補わなくても良いというだけでも、指導者としての私は楽をさせてもらっている、というのが本音です。誤解のないよう言っておきたいのですが、私は決して自慢しているのでありません。本当に「音楽」を愛していて、本当に心から「子ども」が好きな人なら、当然すべてのピアノの先生はそうではないかと思いますし、また、そうでなければならない、とも思います。
 『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』の1巻P.20〜21は、楽譜がありません。鍵盤図と説明の言葉と、ピグウィグ、すずめの絵だけが印刷されています。
 でもここに、どれだけ「音楽」に必要な、大切な情報と指導のノウ・ハウが詰まっていることか、果たしてどれだけのピアノの先生が読みとって下さっていることだろうと懸念しています。拍節感、フレーズ感、テンポ感─「先生のまねをして」なる一語に託された、指導上の目論見の読みとり──。
 それを受けてこそ、P.26の「ピーターのたいこ」の存在価値があるということを、どれだけの先生が感じて下さっていることでしょう。しかも、タイトルの英訳にまでそのことを明示しているのです。決して"Peter's drum"ではなく、"Peter is drumming"と英訳されていることに、一体何人の先生方が気づかれたことでしょう。「ピーターの(所有している)太鼓」なのではなく、「ピーターが(主語)太鼓を打ちます」ということに─。
 拍節感、拍子感、フレーズ感、リズム感、テンポ感、呼吸、音質揃え、音量揃え、他者とのバランス、等々、「ピーターのたいこ」には、たった8小節に、音楽の指導上、求めるべきものがすべてぎっしり詰まっているのだから妥協したり迎合したりしてはならないのだということを、どれだけの先生方が読みとって下さっていることでしょう。
  どの先生、どのような能力の先生にでも、この『ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本』を使ってレッスンをされるときには、「絶対、失敗しない」ために、このコーナーを役立てていただければと思っています。



次の記事→1巻 はじめての打鍵(鍵盤を知り、初めて音を出す)P.20-21

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