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ムジカ工房は、音楽教育家・北村智恵をサポートする、小さなアトリエです。
北村智恵ピアノ教室、コンサートの自主公演、ピアノ指導者セミナー開催等、行なっています。

指導ポイント

1巻 ナトキンのおどり/ピーターのワルツ

ナトキンのおどり(P.44-45)
 調号はついていないがF dur。これまでに習ったアーティキュレーションの組み合わせ(スラー・スタッカート・テヌート)を総合的に読み取り再現する能力を培う。スラーのついた音は完全なレガートで弾けているかどうか、スタッカートの短かさは揃っているかどうか、テヌートのついた音を無意識に惰性で弾いていないかどうか、など、自分の耳で確かめながら弾くことが、「自分の音をよく聴く」ということなのだと理解させ、できていない場合は、指導者がその生徒の弾き方を真似た演奏と正しいアーティキュレーションの演奏とを弾いて聴かせ、何の音と何の音の間が違うのか(つながっている・切れている・短い・長い等の違い)を認識させる。その際、「何拍めと何拍めの間の音が~」という表現(説明)は避けること。それは大人の理屈であり、「音楽」の中での発想ではないので子どもは理解し難いうえ、音楽的な演奏にはならない。メロディーとして捉え、メロディーの中の1つの要素として、音の長さやつながり方、切れ目などを感じることが大切。
 また、そのメロディーの読み取り(本当の意味でのソルフェージュ能力)の力をつけるために、2通りの弾き方を試みさせる。
 ①全ての音の重要度を等しいものとして弾く。(音の並び通りのメロディー)
 ②左手で弾く音をすべて抜いて(代わりに左手は膝を打つなどして)ピアノの鍵盤で弾いた音のみが本来のメロディー(skeletonスケルトン)であることを耳で感じさせ、その後、左手で弾く音を入れてもスケルトンが浮き立つように、つまり左手の音を音量的に控え目に軽く弾けるよう両手の打鍵をコントロール(加減)する力を養う。自分が出した音を集中してよく聴かなければそれはできない。「耳」が「技術」を育てる(=耳が育てば技術は必ずついてくる)ことの具体例あり、指導者自身が必ずそのことを把握して、生徒が2通りの弾き方をこなせるまで待つ。加えて、「どうしたら②の解釈で弾けるか」という具体的な指導も怠らないこと。(控え目の音は鍵盤から指を離さないで弾き、大切な音は少し高いところから打鍵する。
 ナトキンはリスだが、どんな踊りか想像上のステップを考えさせたり(そのステップで一緒に踊ってみる)、「ネズミのおどりだったら?」「クマのおどりだったら?」「ことりのおどりだったら?」「ゾウのおどりだったら?」などと問いかけ、2オクターヴ上や2オクターヴ下、3オクターヴ上や3オクターヴ下のポジションを指示して高さを変えて弾かせてみることもイメージに添った音の出し方(軽さ・重さ)やテンポを考えて設定する表現力にもつながる。(ポジションの指示は、先生が指で示し、オクターヴという言葉は使わないこと。)最も理想的なのは、鍵盤のあちこちのポジションで弾いてみて(音を出してみて)その動物のイメージに最も近いポジションを自分の耳で探すことである。

ピーターのワルツ(P.48-49)
 前曲「ナトキンのおどり」は想像上の踊りであって、言わば定まった踊りがある訳ではないが、「ワルツ」には、①3拍子であること(1拍目を少し強く=軽いアクセントが3拍ごとに繰り返される)②少し速めの流れるようなテンポで演奏される、といった「きまりごと」があることを教える。初めはゆっくりでも、暗譜してからは必ず速めのテンポで弾けるまでよく練習するよう促す。
 スラーがどの音からどの音までついているのか、メロディーが同じでもアーティキュレーションが異ることを認識して弾く。 特に、の違いをはっきり。また、音階モティーフでできたこのようなメロディーは、特に「ドレミファ」や「ドシラソ」と続いたとき4拍子のようになってしまいがちなので、とりわけ各段最後の小節の1拍目には必ずはっきりしたアクセントをつけて弾くことと、15小節目の1拍めも意識してアクセントを感じて弾くこと。13小節3拍目のC音と14小節1拍目のC音の間が途切れないよう、左手をそばで用意しておいて繋げて弾くことをアドヴァイスする。各段最後小節の1拍めのアクセントをはっきりつけ、2拍めは必ず弱拍として差をつけて軽く弾く。初期のこのようなことが「音楽性」や「音楽的センス」に繋がって行く。




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